「告白されても、どうしても気持ちが動かない…」
「条件は悪くないのに、なぜか恋愛感情がわかない」
「いい人なんだけど、好きになれない」
恋愛相談の現場では、このような悩みがとても多く寄せられます。
特に最近は、マッチングアプリやSNSなどで簡単に出会えるようになった反面、
「誰かに告白されても、心が動かない」という女性が増えています。
今回は、そんな女性のリアルな悩みをもとに、
「なぜ好きになれないのか?」「恋愛感情が湧かないのはおかしいのか?」
そして「そこから抜け出すための具体的な方法」について、心理学的な視点も交えて解説していきます。
◆ 匿名相談:30歳・Mさんの場合
「マッチングアプリで出会った男性に告白されました。
優しくて、誠実で、経済的にも安定している。でも…全然ドキドキしません。
友達としては好きだけど、恋人にしたいとは思えない。
周りからは『贅沢だ』とか『理想が高い』と言われるけれど、
無理に好きになれないのは、私の心がどこかおかしいのでしょうか?」
これはとても多い悩みです。実際、恋愛心理学の調査では、
「好意を持たれても好きになれない」と答えた女性は全体の約63%にも上るというデータがあります。
(出典:日本恋愛心理学会・2023年度調査より)
◆ 「好きになれない女性」に共通する心理とは?
「好きになれない」女性には、いくつかの心理的な特徴があります。
ここでは代表的な3つを紹介します。
① 自己防衛本能が強い
恋愛は「心を開く行為」です。
しかし、過去に失恋や裏切りを経験していると、「もう傷つきたくない」という防衛反応が働きます。
相手がどれだけ誠実でも、無意識に「恋を始めない理由」を作ってしまうのです。
② 理想が高くなりすぎている
SNS時代の恋愛では、他人の恋を見比べることが増えました。
「あの人の彼氏はオシャレ」「この人は毎週デートしている」など、
他人の恋愛を基準にして自分の感情を判断してしまう。
その結果、「普通の優しさ」にときめきを感じにくくなってしまうのです。
③ 「恋愛=結婚」と直結して考えている
20代後半から30代にかけて増えるのが、「恋愛=結婚相手探し」という意識。
恋に落ちる前に「この人と結婚できる?」と条件で見てしまい、
本来の感情的なときめきが消えてしまうケースです。
頭で恋愛を分析しすぎると、心が追いつかなくなります。
◆ 心理学的アプローチ:好きになれないのは防衛反応
心理学的に見ると、「好きになれない」は「好きになることを恐れている」状態でもあります。
特に恋愛回避傾向(アタッチメント理論でいう回避型愛着)は、
相手との距離が近づくほど不安を感じ、心を閉じてしまう傾向があります。
例えば、相手から優しくされると「この人、本当に信じていいの?」と疑ってしまう。
好意を受け取ること自体にストレスを感じる人もいます。
つまり、「好きになれない」は「本能的な防衛」であり、決して異常ではありません。
◆ 改善方法①:感情のセンサーを取り戻す
好きになれないとき、まず必要なのは「感情を感じる練習」です。
現代女性は、仕事・SNS・情報過多の中で感情を抑えるクセがついています。
「ときめく」「寂しい」「楽しい」といった感情を意識的に感じる時間を増やすことが、恋愛感情を取り戻す第一歩です。
- 好きな映画を観て泣く・笑う
- 五感を刺激する(香り・音・味など)
- 誰かと感情を共有する
感情を表現できるようになると、恋愛における“感じる力”が戻ってきます。
◆ 改善方法②:「いい人」から「心が動く人」への変換
「いい人だけど好きになれない」という悩みの裏には、
「理性ではOK、でも本能ではNO」という矛盾があります。
そこで効果的なのが、相手との“感覚的な接点”を意識的に増やすことです。
例えば、共通の趣味を共有したり、少し大胆な話題を交わしたりすることで、
「安心」から「ドキドキ」へのスイッチが入ることがあります。
恋愛心理学ではこれを「吊り橋効果(生理的覚醒転移)」と呼びます。
安心感だけでなく、軽い緊張感が恋愛感情を生み出すのです。
◆ 体験談:告白されても好きになれなかったKさんのケース
28歳・Kさん(メーカー勤務)は、3人の男性から告白された経験があります。
いずれも真面目で誠実な人でしたが、どうしても恋愛感情が芽生えませんでした。
しかし、3度目の告白のあと、Kさんは「もしかして私、恋愛に臆病なのかも」と気づいたそうです。
そこでKさんは、自分の恋愛パターンを振り返ることにしました。
過去の失恋で「もう傷つきたくない」と思い続けていたことに気づき、
カウンセリングや自己分析を通して「怖い」と素直に認めることができたとき、
不思議と人に対して興味が湧くようになったと言います。
その後、以前は「タイプじゃない」と思っていた男性と自然に惹かれ合い、
現在は穏やかな交際が続いているそうです。
◆ Q&A:読者からの匿名相談に答えます
Q1. 告白されても気持ちが動かないのは冷たい人間だから?
A. 冷たいのではなく、慎重なだけです。恋愛感情は「時間差」で芽生えることがあります。
無理に好きになろうとせず、「まずは相手を知る時間」を大切にしましょう。
Q2. 友達としては好き。でも恋人になる気はない。正直に伝えるべき?
A. 伝えるべきです。中途半端に関係を続けると、相手にも自分にも傷が残ります。
ただし、「今は恋愛感情がないけど、あなたのことは大切」と誠実に伝えると印象が違います。
Q3. 恋愛経験が少ないから好きになれないの?
A. 恋愛経験の多少は関係ありません。むしろ経験が少ない人ほど、感情を丁寧に扱う傾向があります。
「恋を知らない自分を責める」のではなく、「これから学べる自分」を楽しみましょう。
次回は、「告白されても好きになれない自分」を受け入れながら、
どうすれば“心から惹かれる恋愛”に出会えるのかを、さらに深く解説します。
◆ 後半:好きになれない自分を受け入れ、恋愛感情を育てるために
「告白されても好きになれない自分」に悩んでいる女性は多いですが、
実は“恋愛感情が湧かない時期”というのは、心の整理期間でもあります。
恋をしていない自分を責める必要はありません。
大切なのは、“なぜ今、心が反応しないのか”を理解し、その上で少しずつ心の準備を整えること。
ここからは、心理学的な観点からそのプロセスを詳しく見ていきましょう。
◆ 心理分析:恋を感じにくい心のメカニズム
恋愛心理学では、人が他者に惹かれるまでのプロセスを「関係形成段階モデル」と呼びます。
これは、安心 → 興味 → 共感 → 親密 → 愛情 の5段階で進行します。
つまり、告白されても「安心」や「共感」の段階に達していないと、
恋愛感情(親密・愛情)は自然に湧かないのです。
ここで重要なのは、「恋愛感情=突然生まれるもの」ではなく、
「段階的に育つもの」だという認識を持つことです。
そのため、「告白されてから好きになる」恋も珍しくありません。
時間をかけて心を温めることは、むしろ自然な流れです。
◆ 改善方法③:恋愛ホルモンを活性化させる生活習慣
恋愛感情は、ホルモンや脳内物質にも深く関係しています。
特に「ドーパミン」「オキシトシン」「セロトニン」がバランスよく分泌されると、
心が穏やかで前向きになり、人を好きになりやすい状態になります。
● ドーパミン:ワクワクと興奮を生むホルモン
新しいことに挑戦したり、刺激的な体験をしたりすると分泌されます。
旅行・スポーツ・音楽ライブなど「日常の外」に出ることで、
「恋をする準備ができる脳」になります。
● オキシトシン:信頼と安心を生むホルモン
人とのスキンシップや、誰かに優しくすることで分泌されます。
恋愛だけでなく、友人との触れ合い・ペットとの時間などでも効果があります。
“誰かを想う”ことで、自然に恋愛の感情も育っていきます。
● セロトニン:心の安定を保つホルモン
朝日を浴びる・ウォーキングをする・バランスの取れた食事を摂るなど、
シンプルな生活習慣が恋愛の土台を作ります。
恋愛は、まず「心が整った状態」から始まるのです。
◆ 改善方法④:自分の「恋愛スイッチ」を探す
誰にでも、“恋愛スイッチ”が入る瞬間があります。
それは人によって違い、例えば以下のようなものがあります。
- 尊敬できる一面を見たとき
- 自分を笑顔にしてくれたとき
- さりげない優しさに触れたとき
- 一緒にいて安心したとき
「好きになれない」と思っていても、どこかのタイミングで心が反応する瞬間があります。
それを見逃さないように、「あ、今ちょっと嬉しい」と感じたら
その気持ちを素直に受け止めてみてください。
そこから恋愛感情が芽生えることもあります。
◆ 改善方法⑤:恋愛を“自己肯定”のツールに変える
恋をする目的を「誰かに好かれること」から「自分を知ること」に変えると、
恋愛に対するプレッシャーが減ります。
「好きになれない=ダメ」ではなく、
「今の私はこう感じる」と認識することが成長の第一歩です。
例えば、恋愛を通して「私は安心感を求めるタイプなんだ」とか、
「刺激がないと心が動かないタイプなんだ」と気づくだけでも、
次の恋愛での選択が変わります。
自己理解を深めることが、結果的に“本当に惹かれる相手”を見つける近道なのです。
◆ 体験談:恋を“しようとしない”選択をしたSさん
33歳・Sさん(事務職)は、長年「告白されても好きになれない」タイプでした。
いつも「いい人なんだけど…」で終わってしまう恋愛に、
次第に疲れと罪悪感を感じていたそうです。
ある日、Sさんはあえて「恋をしない期間」を作りました。
自分の趣味や仕事に集中し、友人と過ごす時間を増やしたのです。
すると、不思議と心が落ち着き、「恋愛しなくても幸せ」と感じるようになりました。
その余裕ができた頃、自然に気になる人が現れたといいます。
Sさんはこう語ります。
「焦って恋を探していたときは、誰を見ても“違う”と思っていました。
でも、自分が満たされてから出会った彼には、自然に惹かれたんです。」
恋愛は“頑張ってするもの”ではなく、“自然と流れ込むもの”。
その感覚を取り戻すことが、恋愛の第一歩かもしれません。
◆ Q&A:好きになれない自分とどう付き合う?
Q4. 告白されてもドキドキしない…私は恋愛体質じゃない?
A. 恋愛体質かどうかは、性格ではなく「タイミング」です。
人生の中で“恋に疲れた時期”や“自分に集中したい時期”があるのは自然なこと。
恋愛の波が静かなときは、自分を整える時間だと考えましょう。
Q5. 周りが結婚して焦る。でも好きになれない。
A. 焦る必要はありません。周囲のスピードはあなたのペースではありません。
心理学的には、焦りが強いほど「選択ミス」を起こしやすくなります。
「今はまだ心が動かない」という誠実な気持ちを大切にしましょう。
Q6. 恋愛感情がわかないまま結婚しても大丈夫?
A. “恋愛感情”が薄くても、“信頼と安心”があれば関係は続きます。
ただし、どちらか一方が「情熱的な愛」を求めているとすれ違いが生まれるので、
結婚前には価値観をすり合わせることが大切です。
◆ 実践ワーク:恋愛感情を育てる5ステップ
次のワークを1日1つずつ行うだけで、「恋を感じる心」が少しずつ戻ってきます。
- ステップ1: 自分の「好き・嫌い」を書き出す
- ステップ2: 毎日1回、誰かに「ありがとう」を伝える
- ステップ3: 自分の時間を15分でも確保する
- ステップ4: 新しい人・場所・体験に触れてみる
- ステップ5: 「ときめいた瞬間日記」をつける
恋愛感情は、突然ではなく“習慣”から育ちます。
些細な「嬉しい」「楽しい」の積み重ねが、恋を呼び戻すのです。
◆ まとめ:恋をしない自分にも価値がある
「告白されても好きになれない」と悩むあなたは、何も欠けていません。
むしろ、自分の心と丁寧に向き合える繊細さを持っている証拠です。
恋が始まらないときは、心が「少し休ませて」と言っているだけ。
その期間もあなたの成長の一部です。
無理に恋をしようとするのではなく、自分のペースで“心のエネルギー”を回復させましょう。
そうすれば、次に出会う恋は自然に心が動き、これまでとは違う形の幸せを感じられるはずです。
恋愛は、焦らず、比べず、飾らず。
それこそが、「告白されても好きになれない」自分を救い、
本当に惹かれる恋へ導く最短ルートなのです。